【SBTi】 2026-2030戦略 新ガイダンスで第三者保証が必須化

本稿はサステナビリティスタンダードパートナーズが、SBTi(Science Based Targets initiative)が2026年5月21日に公表した戦略文書「SBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Action」について、validatorからtransition partnerへの役割転換、4つの主要な転換、目標未達企業の取り扱い、5年レビューにおける第三者保証の必須化を踏まえて、サステナビリティ推進室の実務担当者がどのように対応すべきかを整理するものです。

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目次

結論

SBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Actionは、SBTiの役割をvalidator(目標認定者)からtransition partner(移行支援パートナー)へと転換する宣言文書です。1万社を超える既存認定企業の野心を担保するため、年次進捗報告、5年レビューの第三者保証、新目標設定時のパフォーマンス基準の3点を強固なガードレールとして明文化しました。とりわけ5年レビューにおける独立した第三者保証は、認定維持と未達企業のフレームワーク残留のための制度上の必須要件として位置付けられました。サステナビリティ推進室は自社の認定サイクルを確認し、第三者保証の準備期間を逆算する必要があります。

背景

SBTiは2015年に設立され、過去10年で世界の企業気候行動の事実上の標準となりました。本戦略文書時点で科学ベース目標を設定済みの企業は1万社を超え、コミット段階の企業は2000社、2025年単年で約3100社が新規に目標を設定し、2026年も同水準の伸びが見込まれています。特にアジア地域での伸びが最大で、米国はパリ協定離脱後も企業の離脱は僅少にとどまり、2025年に約270社が認定を取得しています。この規模拡大の一方で、SBTiは目標設定の段階から実装の段階へと移行する必要に直面しました。新戦略は10年間の学習と広範に協議されたTheory of Changeを基礎として策定され、Business as usual is not an optionと明示することでSBTi自身の自己定義を書き換えるものとなっています。

SSPの定義

SSPはサステナビリティスタンダードパートナーズの略称で、経済産業省 GXリーグ登録検証機関として第三者確認を含む第三者保証業務を主業とする機関です。本稿におけるSBTiとは、Science Based Targets initiativeの略称であり、CDP・国連グローバル・コンパクト・We Mean Business Coalition・世界資源研究所WRI・世界自然保護基金WWFの連携により2015年に設立された企業気候行動の国際イニシアティブを指します。第三者保証とは、企業が開示する温室効果ガス排出量データや気候関連情報について、独立した第三者機関が一定の基準に従って検証し信頼性を担保する手続きを指します。5年レビューとは、SBTi認定企業が目標サイクル中盤で実施する進捗確認と目標見直しの手続きを指します。Corporate Net-Zero Standard Version 2とは、本戦略文書と併走して開発中のSBTi公式運用基準で、2028年1月から強制適用される見込みの文書を指します。

変更点の要約

  • SBTiの自己定義がvalidatorからtransition partnerへと転換されました。
  • 5年レビューにおける第三者保証が制度上のガードレールとして明文化されました。
  • 目標未達企業の取り扱いがbest-efforts basisとして位置付けられフレームワーク残留が許容されました。
  • 全業種共通の汎用アプローチから業種別と地域別のテーラード化に移行します。
  • 他基準やカーボンクレジット枠組みとの相互運用ガイダンスを2027年に公開します。
  • 私的ベンチマーク機能と年次公開システム評価が新設されます。
  • インドと東南アジアに新拠点を設置し、アフリカでは能力構築から展開を開始します。

基礎知識

SBTiは企業が設定する温室効果ガス削減目標がパリ協定の1.5度目標と整合しているかを審査し、認定を付与する仕組みです。目標には大きく2種類が存在します。短期目標は5年から10年の期間でScope 1からScope 3の削減を求めるものです。ネットゼロ目標は2050年までを視野に入れ、バリューチェーン全体の脱炭素化と残余排出の中和を求めるものです。SBTi認定取得済み企業は1万社を超えており、そのうち約2600社がネットゼロ認定を取得しています。日本国内でも上場大手を中心に認定取得が進展しており、SSBJ義務化やGX-ETS本格稼働と並走する形で、Scope 1からScope 3までの開示・検証・保証のニーズが構造的に拡大しています。今回のSBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Actionは、これらの目標が設定されるだけでなく実装され検証されるための枠組みを再設計するものです。

論点整理表

論点戦略上の位置づけSBTi 2026-2030戦略での該当判断基準実務上の留意点
第三者保証の必須化強固なガードレールの構成要素5年レビューの第三者保証独立した第三者機関による検証認定維持と未達企業残留の両方の条件
目標未達の取り扱いbest-efforts basisの明文化Scope 3を中心とした未達許容透明な説明と障壁対処方針の提示新目標設定までを一体で文書化
Scope 3の責任範囲uncertaintyとdependencyの文脈best-efforts前提の柔軟設計優先カテゴリーへの集中低影響領域の合理的除外を整理
セクター別アプローチテーラード化への移行業種別ガイダンスのメニュー化業種特性に応じた科学ベース選択自社業種の公開時期を追跡
他基準との相互運用エコシステム統合2027年に相互運用ガイダンス公開会計基準・RE100・ISO・EAC・カーボンクレジット枠組み自社利用中の他基準との接続性を確認
年次進捗報告透明性と精査の前提主要アクションのベンチマーク可能性開示と内部統制の両立SSBJ・GX-ETSと統合した報告体制を構築
私的ベンチマークシステムレベルの進捗評価排出と投資の横断データ集約資本ストック更新と計画投資の活用ピア比較データを内部改善計画に反映
経営戦略資産化取締役会レベルの戦略的資産資本アクセス・顧客獲得・規制対応競争優位としての位置付け経営層への説明材料として整理

比較表

項目旧来のSBTi運用2026-2030戦略の運用実務インパクト
SBTiの役割validator(目標認定者)transition partner(移行支援パートナー)認定取得後の継続関係が強化
アプローチ全業種共通の汎用ガイダンス業種別と地域別のテーラード化業種固有の削減経路選択が可能
運用の重心目標設定の検証実装と進捗評価年次報告と保証の負担増
第三者保証一部要件として推奨5年レビューの構成要素として明文化保証受審体制の整備が必須化
目標未達の扱い達成可否が中心論点best-efforts basis前提の説明責任未達でも残留可、説明書類が要求される
他基準との関係個別対応2027年公開の相互運用ガイダンス複数基準の負担軽減が見込める
進捗データ各社個別管理システム横断データ集約と私的ベンチマークピア比較が公式チャネルで可能に
地理的展開中南米・北米・欧州インド・東南アジアに拠点新設、アフリカ展開開始サプライチェーン上流の認定企業が増加
企業価値訴求信頼性向上資本アクセス・顧客獲得・規制対応の優位性取締役会レベルの戦略資産として説明可能

4つの主要な転換と運用モデル

本戦略は冒頭でBusiness as usual is not an optionと明示し、SBTiの役割をvalidatorからtransition partnerに転換することを宣言しました。続けて4つの主要な転換が提示されています。これらは2つの上位次元Ambition to ActionとMaximizing Impactに整理され、SBTiの新しい運用モデルの基礎を構成します。

4つの転換の整理

第1の転換は業種別と地域別のテーラード化です。全業種共通の汎用アプローチから、企業が影響を及ぼせる範囲に即した個別アプローチへの移行と、他フレームワークとの相互運用性確保を含みます。第2の転換は実装へのピボットです。目標設定中心からデータ透明性とシステムレベルの進捗評価への重心移動を意味します。第3の転換はパートナーシップ強化です。エコシステムの分断による重複と企業負担を解消し、組織横断的に整合したアプローチを担保します。第4の転換はネットワーク拡張です。高排出セクターと地域への展開を通じて影響カバレッジを拡大します。

Ambition to ActionとMaximizing Impactの2次元

4つの転換のうち、第1と第2はAmbition to Actionの次元に整理されます。具体的にはApproach(テーラードなセクター・地理アプローチ)とFocus(データ透明性とシステムレベル評価)です。第3と第4はMaximizing Impactの次元に整理されます。具体的にはEcosystem(強化されたパートナーシップと相互運用)とCoverage(高排出セクターと地域への網羅拡大)です。この2次元4要素のマトリクスがSBTiの運用モデルの全体像です。実務影響として、企業はSBTiから単に認定を受ける関係から、実装をSBTiと共に進める関係へと変化します。注意点は、認定取得後の継続要件が強化されることです。

業種別と地域別のテーラード化

セクター別ガイダンス

新戦略はaction-aligned standardsとして、企業の事業文脈に即した科学ベース選択肢のメニュー化を進めます。これまでの単一の科学ベースに従う構造から、業種特性に応じて複数の削減経路から選択する設計へと移行します。電力、鉄鋼、セメント、化学、海運、航空、自動車、アパレル、建築物、森林・土地・農業など主要セクターについて、業種別ガイダンスの整備が継続されます。サステナビリティ推進室は自社業種に対応するガイダンスの公開時期を追跡する必要があります。

他基準との相互運用化

新戦略はinteroperabilityとして、複数の主要基準との相互運用化を明確に位置付けました。具体的には会計基準、SME Climate Hub、RE100、ISOネットゼロ新規格、Environmental Attribute Certificate(グリーン鉄鋼やセメントなど)、高品位カーボンクレジット枠組みです。相互運用ガイダンスは2026年中に開発が進み、2027年に公開予定です。これにより企業は複数の基準を別々に対応する負担が軽減されます。SBTiが業界生態系の中核として、他組織と排他的に競合するのではなく補完的に役割分担する姿勢を示しています。

データ透明性とシステム評価

私的ベンチマークと先行指標

新戦略では、SBTiが排出データと投資データのシステム横断的集約を進める方針が示されました。先行指標として、資本ストック更新サイクル(capital stock turnover)や計画投資(planned investment)が挙げられています。これらのデータは加盟企業向けの私的ベンチマークとして提供されます。サステナビリティ推進室の担当者にとっては、自社の進捗をピアと比較する公式チャネルが整備されることになります。このベンチマーク機能は、SBTi自身がコンサルティングを直接担う性格ではなく、政策設計者やコンサルティング企業へのデータ提供という位置付けが明示されています。SBTiが利益相反の懸念に応える形で、データ提供者としての中立性を保つ姿勢を示しました。

年次公開システム評価

私的ベンチマークと並行して、年次の公開システム評価が新設されます。本評価では、SBTiネットワーク全体での進捗状況、真に進捗が見られている領域、追加進捗を解放しうるアクションが特定されます。これは加盟企業のみならず、政策設計者・コンサルティング企業・投資家など外部ステークホルダーが利用することを前提とした仕組みです。実務影響として、自社の進捗が業界平均と比較してどの位置にあるかを継続的に把握する必要が出ます。

未達企業の取り扱いと強固なガードレール

best-efforts basisと説明責任

新戦略はScope 3を中心に、目標達成はbest-efforts basisであることを明文化しました。原文ではtargets are set on a best-efforts basis in a context of uncertainty and dependency, particularly for Scope 3 emissionsと記載されています。未達が生じた場合、企業は進捗と障壁を透明に説明し、障壁への対処方針(SBTi支援含む)を提示し、サイクル末で新目標を設定することが求められます。これらを満たせばフレームワーク残留が可能で、グリーンウォッシュリスクも回避できます。Scope 3の責任範囲については、全カテゴリーへの厳格な達成責任ではなく、優先カテゴリーへの集中と説明責任の履行が中心となります。

3点セットのガードレール

未達企業に対する柔軟性を担保するのが強固なガードレールです。原文ではAmbition will be upheld through strong guardrailsとして以下3点が明示されています。第1に年次進捗報告(annual progress reporting)であり、主要アクションのベンチマーク可能性が前提となる透明性要件です。第2に5年レビューの第三者保証(third-party assurance of five-year reviews)であり、独立した保証機関による検証が要件化されます。第3に新目標設定時のパフォーマンス基準(performance criteria for setting new targets)であり、次サイクル目標設定への接続条件です。この3点セットが、SBTiの信頼性を維持する装置として位置付けられました。

第三者保証の必須化

本セクションでは、SBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Actionにおける第三者保証の位置付けと適用タイミングを集中的に解説します。

5年レビューの第三者保証

最も具体的な要件は、5年レビューに第三者保証が必要となる点です。SBTi認定企業は通常5年から10年の目標サイクルを設定しており、サイクル中盤での進捗確認と目標見直しが行われます。新戦略では、この5年レビューのタイミングで独立した第三者保証を取得することが要件化されました。SBTiが審査と保証を兼ねることによる利益相反を避け、独立性のある第三者機関にその役割を委ねる構造です。SBTi認定取得済み企業は1万社を超えており、そのうちの多くが2021年から2023年にかけて認定を取得しています。これらの企業の5年レビュー時期は2026年から2028年に集中する見込みであり、第三者保証の需要は短期間に急増することが想定されます。

保証メカニズムと未達企業の継続条件

第三者保証は、目標未達企業がフレームワークに残留するための必須条件と接続しています。未達企業は進捗と障壁を透明に説明し、対処方針を提示し、新目標を設定する必要があります。この説明責任を信頼できる形で果たす手段が第三者保証です。言い換えれば、第三者保証は単なる確認手続きではなく、企業が認定を維持し、対外的にグリーンウォッシュではないと示すための制度上の必須要件となりました。SBTiがstrong guardrailsと表現したのも、この点を明確にするためです。

適用タイミングと併走文書

本戦略文書では、第三者保証がいつから具体的に必須となるかの発効日は明記されていません。本書は2026年から2030年を対象とする5年間の戦略文書であり、詳細な運用要件は併走中のCorporate Net-Zero Standard Version 2の側で規定される見込みです。戦略文書内で明示されている時間軸は3点です。第1に2026年中にセクター対話と進捗評価アプローチの広範な意見募集が実施されます。第2に他基準との相互運用ガイダンスが2027年に公開されます。第3に本戦略の有効期間は2026年から2030年です。Net-Zero Standard V2の発行と強制適用スケジュールの詳細は、本戦略文書とは別途、SBTiが公開しているV2公式コンサルテーション資料で確認する必要があります。

拠点拡張と政策エンゲージメント

高排出地域への展開

新戦略はexpansion and regional growthとして、サプライチェーン、高排出セクター、市場メカニズム、金融機関との連携を成長機会と特定しました。金融機関連携については、短期目標とネットゼロアプローチの両面で深いエンゲージメントを進める方針が示されています。市場メカニズムは資金動員の手段として位置付けられています。地理的にはインドと東南アジアに新拠点を設置し、アフリカは能力構築とパートナーシップから展開を開始します。実務影響として、サプライチェーン上流の取引先がSBTi対象企業となる確率が高まり、自社のScope 3管理がより一層問われます。

pre-competitive collaborationと政策エスカレーション

本戦略はSBTiが企業と共に学び理解する姿勢を強調しています。2026年中にセクター対話と進捗評価アプローチの広範な意見募集を実施するとともに、常設のセクター別とテーマ別のグループを立ち上げ、加盟企業がpre-competitive collaborationとして知見を共有し問題を共に解決する場を整備します。必要に応じて、個社では解決できないシステム的障壁を政策レベルへとエスカレーションする機能も内包しています。実務影響として、業界共通課題を業界横断で持ち込めるチャネルが整い、自社単独での負担を減らす機会が生まれます。

実務フロー

  • Step1 自社のSBTi認定取得時期と目標サイクルを確認し、5年レビュー到来時期を逆算する。
  • Step2 Scope 1からScope 3までの算定範囲、前提条件、優先カテゴリーを文書化する。
  • Step3 自社業種に対応するセクター別ガイダンスの公開予定をSBTi公式サイトで継続的に追跡する。
  • Step4 目標未達の可能性がある領域について、障壁と対処方針、SBTi支援を含む対応計画を整理する。
  • Step5 年次進捗報告に必要なデータ整備と内部統制を、SSBJ義務化やGX-ETS報告体制と統合して構築する。
  • Step6 第三者保証機関を選定し、5年レビュー想定スケジュールで事前打ち合わせを開始する。
  • Step7 Corporate Net-Zero Standard Version 2の公式コンサルテーション資料を継続的にモニタリングし、強制適用前に運用要件を把握する。
  • Step8 取締役会と経営層に対して、資本アクセス・顧客獲得・規制対応の優位性として戦略的資産化の説明資料を整備する。

FAQ

SBTi 2026-2030戦略はいつから適用されますか

SBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Actionは2026年から2030年を対象とする5年間の方針文書です。2026年中にセクター対話と進捗評価アプローチの意見募集が行われ、相互運用ガイダンスは2027年に公開されます。

第三者保証はいつから必須化されますか

本戦略文書では具体的な発効日は明記されていません。詳細な運用要件は併走中のCorporate Net-Zero Standard Version 2で規定される見込みです。一方で5年レビューの第三者保証は本戦略文書内で明文化されているため、認定取得済み企業は早期の準備が望まれます。

目標未達となった場合認定は取り消されますか

新戦略では、目標達成はbest-efforts basisと明示されました。未達でも進捗と障壁を透明に説明し、対処方針を提示し、新目標を設定すればフレームワーク残留が可能です。グリーンウォッシュリスクも回避できます。

Scope 3の責任範囲はどう変わりますか

Scope 3はuncertaintyとdependencyの文脈で、best-efforts basisが明文化されました。全カテゴリーへの厳格な達成責任ではなく、優先カテゴリーへの集中と説明責任の履行が中心となります。

セクター別ガイダンスはいつ公開されますか

本戦略では2026年中の開発と2027年の公開予定が示されています。業種ごとに公開タイミングが異なる可能性があり、自社業種の追跡が必要です。

SBTiは個別企業にコンサルティングを行いますか

本戦略では、SBTiの焦点はデータと知見を他組織に提供することと明示されました。具体的には政策設計者やコンサルティング企業に対する提供であり、個別企業への直接コンサルティングはSBTiの役割範囲外となります。

私的ベンチマークとは何ですか

SBTiが排出データと投資データを横断的に集約し、加盟企業に対してピア比較を提供する仕組みです。先行指標として、資本ストック更新サイクルや計画投資が含まれます。

SBTiとの連携は経営にとってどのような価値がありますか

新戦略は、SBTiとの連携を取締役会が戦略的資産と認識するものにすると明示しています。具体的なベネフィットは、金融機関からの資本アクセスにおける優位性、顧客や取引先からの信頼獲得、厳しさを増す規制環境への対応力の3点です。

まとめ

SBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Actionは、validatorからtransition partnerへとSBTi自身の役割を書き換え、企業の野心担保のための強固なガードレールとして年次進捗報告・5年レビューの第三者保証・新目標設定時のパフォーマンス基準の3点を明文化した戦略文書です。Scope 3を中心としたbest-efforts basisの明文化により、目標未達でもフレームワーク残留が可能となる一方で、その継続条件として第三者保証が制度上の必須要件として位置付けられました。1万社を超える既存認定企業のうち、2021年から2023年に認定を取得した企業群の5年レビューが2026年から2028年に集中することから、保証需要は短期間に急増する見込みです。サステナビリティ推進室は自社の認定サイクルを確認し、第三者保証機関の選定と事前打ち合わせ、Scope 3の優先カテゴリー集中、Corporate Net-Zero Standard Version 2の継続モニタリングを並行して進める必要があります。

参考リンク

  • SBTi 2026-2030 Strategy: Catalyzing Corporate Action 公式PDF https://files.sciencebasedtargets.org/production/files/SBTi-2026-2030-Strategy.pdf
  • Science Based Targets initiative 公式サイト https://sciencebasedtargets.org/
  • SBTi Corporate Net-Zero Standard 開発ページ https://sciencebasedtargets.org/developing-the-net-zero-standard
  • SBTi 2026-2030 Strategy 解説ページ https://sciencebasedtargets.org/about-us/our-2026-2030-strategy
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この記事を書いた人

大学在学中にオーストリアでサステナブルビジネスを専攻。 日系企業のマネージングディレクターとしてウィーン支社設立、営業戦略、社会課題解決に向けた新技術導入の支援など戦略策定から実行フェーズまで幅広く従事。2024年よりSSPに参画。慶應義塾大学法学部卒業。

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