【SSBJ 最新動向】Scope1,2,3算定範囲の確定事項 23年10月ハイライト

サステナビリティ基準委員会(SSBJ)では、日本版ISSBの基準開発を行っています。有価証券報告書発行の全企業に対し、2025年3月以降の会計年度から適用が開始されます。本記事では第20回~第23回サステナビリティ基準委員会で特に重要な審議事項を取り扱います。スコープ1,2,3の算定対象範囲について

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Scope1,2算定範囲に関する審議

2023年9月19日第21回サステナビリティ基準委員会では以下の内容が決定されました。

スコープ1及びスコープ2について、連結会計グループに関するものと、その他の投資先に関連するものとに分ける必要がある。

過去GHGプロトコルに基づきScope1,2の算定を開示していた企業の中で、単体及び連結のみ算定した企業は、非連結の関連会社の算定を行う必要があります。

Scope3算定範囲に関する審議

2023年10月16日第23回サステナビリティ基準委員会では以下の内容が決定されました。

スコープ3は総量を開示しなければならない。ただし、スコープ3カテゴリーの15のカテゴリーのうち、温室効果ガスの排出量が最も大きいカテゴリーを特定したうえで、当該カテゴリーの温室効果ガスの排出量の100分の1以下の排出量となることが見込まれるカテゴリーは測定に含めないことができる。

Scope3カテゴリーのうち最大排出量のカテゴリーの総排出量1%以下として見込まれるカテゴリーは算定と開示は必須ではないことが確認されました。なおScope3算定開示に関しては、IFRS S2に関して初年度開示が免除される事項の一つに該当していることを踏まえると、SSBJにおいては2026年3月以降の会計年度に適用されることが見込まれています。

この記事を書いた人

製造業/技術部門にて、水処理関連事業、ISO規格の環境監査を中心に従事。環境負荷、サーキュラーエコノミーに関する専門性を有する。

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