サステナビリティ基準委員会(SSBJ)では、国際的なサステナビリティ情報開示基準(ISSB基準)を基盤に、日本独自の開示基準を開発しています。有価証券報告書を提出する企業のうち、時価総額の大きい企業から順に、2026年度(2027年3月期)以後終了する事業年度から段階的に義務適用される予定です。本記事では第20回~第23回サステナビリティ基準委員会で重要な内容をまとめます。
【補足】SSBJは2025年3月5日に基準を確定公表し、2026年2月20日施行の改正開示府令により、時価総額の大きい企業から順に2026年度(2027年3月期)から段階的に義務適用されます(任意適用は施行日以後に提出する有価証券報告書から可能)
※2025年SSBJ確定案に関する記事はこちらです


Scope1,2の排出量算定範囲に関する審議
2023年9月19日第21回サステナビリティ基準委員会では以下の内容が報告されました。
スコープ1及びスコープ2について、連結会計グループに関するものと、その他の投資先に関連するものとに分ける必要がある。
Scope1、2排出量は、選択した測定アプローチ(持分割合アプローチ・経営支配力アプローチ・財務支配力アプローチのいずれか)に従って算定し、連結会計グループに関するものとその他の投資先(持分法適用会社等)に関するものとに分解して開示します。連結対象外の関連会社を一律に含める義務はありません。この措置により、持分法適用会社等連結範囲外の投資先における排出量が漏れないよう配慮されています。
Scope3の排出量算定範囲に関する審議
2023年10月16日第23回サステナビリティ基準委員会では以下の内容が報告されました。
スコープ3は総量を開示しなければならない。ただし、スコープ3カテゴリーの15のカテゴリーのうち、温室効果ガスの排出量が最も大きいカテゴリーを特定したうえで、当該カテゴリーの温室効果ガスの排出量の1%以下の排出量となることが見込まれるカテゴリーは測定に含めないことができる。
Scope3カテゴリーのうち最大排出量のカテゴリーの1%以下と見込まれるカテゴリーは測定に含めないことができる、という事務局案が示されました(その後の審議で数値基準は採用されず、確定した基準ではカテゴリーの関連性と重要性を考慮して判断します)。なおScope3の開示は、IFRS S2と同様にSSBJ基準でも適用初年度は開示しないことができる経過措置の対象です。そのため、2026年度(2027年3月期)から義務適用される時価総額3兆円以上の企業では、Scope3の開示は原則として2年目の2027年度(2028年3月期)からになります。実務的には、この免除規定は企業が初年度にScope3のデータ整備・検証の時間を確保できるよう配慮されたものと考えられます。




