2024年4月24日、欧州議会の本会議にて、人権・環境デューデリジェンスの実施を義務付ける「EU企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)」が承認されました。これにより、日本企業への影響も生じます。
CSDDDの適用対象企業は以下の通りです。
- EU域内企業:前会計年度の全世界純売上高が15億ユーロ超、かつ平均従業員数が5,000人超の企業。
- EU域外企業:前々会計年度のEU域内純売上高が15億ユーロ超の企業(従業員数要件なし)。
- グループ企業:連結で上記要件を満たす場合の最終親会社。
CSDDDで求められる実施内容は以下の通りです。
- 会社の方針およびリスク管理システムへの組み込み
- 潜在的または顕在的な負の影響の特定・評価・優先順位付け
- 負の影響の防止・軽減・停止・是正
- 通知制度および苦情処理手続きの確立と維持
- 実施状況の定期的なモニタリング
- 年次報告書等での報告・開示
CSDDDの適用開始時期
当初は企業規模別に3段階のフェーズインが予定されていましたが、Omnibus I改正指令(Directive (EU) 2026/470)により廃止され、適用開始時期は単一波(一斉適用)に一本化されました。加盟国による国内法制化の期限は2028年7月26日、企業への適用開始は2029年7月26日です(ただし第16条の報告義務のみ、2030年1月1日以降に開始する事業年度から適用されます)。
CSDDDの日本企業への影響
自社のEU拠点が適用対象となる場合や、EU域内で一定規模以上の売上がある場合に直接的な影響が生じます。また、CSDDDの適用を受けるEU企業のサプライチェーンに含まれる場合も、間接的な対応を求められる可能性があります。
【補足】 2025年現在、CSDDDはEU官報に掲載され正式に発効しています。日本国内においても、本指令を意識した「人権尊重ガイドライン」の実務対応が進んでおり、EUと直接取引がない企業であっても、取引先からの要請に備えたデューデリジェンス体制の構築が急務となっています。




