CDPは、2027年情報開示サイクル(CDP2027)の主要な日程を公表しました。回答ポータルのオープンは4月14日、スコアリング対象となる回答提出期限は6月23日と、CDP2026(回答ポータル6月中旬・スコア対象締切9月16日)と比べて大幅な前倒しです。回答期間そのものも前年比で約1ヶ月短縮されます。本速報では、公表されたCDP2027のスケジュールをCDP2026の実績と比較しながら整理し、第三者保証を含む準備を「いつ・どう前倒しすべきか」を実務目線で解説します。
※本記事は2026年7月10日時点で、CDP公式サイト「2027年のCDPを通じた情報開示(Disclosure 2027)」ページに公表された主要日程・FAQに基づく速報です。質問書やスコアリングの詳細変更は「近日公開予定」とされており、確定次第あらためて解説します。


CDP2027 要約
- CDP2027は主要日程を公表。回答ポータルオープン(回答開始)は4月14日、スコアリング対象の回答提出期限は6月23日、最終回答提出期限は8月25日。
- CDP2026(回答ポータル6月中旬・スコア対象締切9月16日・最終締切10月下旬)と比べ、スコア対象の締切は約3ヶ月弱の前倒し。
- 回答期間そのものも前年比で約1ヶ月短縮。スコア配信は9月、公開スコアの発表は11月を予定。
- CDPは前倒しの理由を「必須開示(義務報告)や年次報告・株主総会のサイクルとの整合」「開示価値の早期活用」と説明。コピー転記機能の改善やAI機能で回答作成負荷を下げる方針。
- 実務インパクトの本質は「データが早く揃う」ことではなく「回答・保証の準備期間が圧縮される」こと。第三者保証はリードタイムがあるため、早めに保証機関へデータの収集方法や検証工程を相談しておくことが要点。
CDP2027 背景
CDPは公式FAQで、日程前倒しの理由を「ステークホルダー(とくに開示後アンケート)からのフィードバックに応えたもの」と説明しています。狙いは、必須開示(義務報告)の提出、年次報告書の公表、株主総会などの企業側サイクルとの整合を高め、開示したデータやスコアを企業がより早く・有効に活用できるようにすることです。回答期間の短縮についても、コピー転記機能の改善や新しいAI機能によって回答作成の負荷が下がることを前提に、期間を圧縮しても対応可能と位置づけています。
CDP2027 変更点(公表済み)
回答ポータルのオープンが4月14日に前倒し
回答(報告)期間は4月14日に開始します。CDP2026では回答ポータルのオープンが6月中旬だったため、約2ヶ月の前倒しです。ポータル開放を待ってから着手する従来ペースでは、着手時点で大きく出遅れることになります。
スコアリング対象の回答提出期限は6月23日
CDPスコアの評価対象となる回答の提出期限は6月23日です。CDP2026の9月16日から見ると、約3ヶ月弱の前倒しになります。6月23日以降も修正提出は可能ですが、編集した回答はスコアリング対象外となる点はCDP2026と同様です。実務上、この6月23日が最重要の締切です。
最終回答提出期限は8月25日
回答の編集が可能な最終期限は8月25日で、この日を過ぎると質問書へのアクセスが終了し、回答を編集できなくなります。CDP2026の最終提出期限(10月下旬)から約2ヶ月の前倒しです。
回答期間は前年比 約1ヶ月短縮/スコア配信9月・公開スコア11月
ポータルオープン(4月14日)からスコア対象締切(6月23日)までの回答期間は、前年比で約1ヶ月短くなっています。スコアの配信は9月、公開スコア(Aリスト等)の発表は11月が予定されています。
要請機関向けの日程(参考)
回答を要請する側(回答要請機関)の日程として、要請リストの提出開始が2月24日、提出期限が4月7日と示されています。自社が要請を行う立場でもある場合は、こちらの日程も併せて確認してください。
CDP2026との比較
開示組織(回答する企業)にとって重要な日程を、CDP2026実績とCDP2027で比較すると以下のとおりです。
| 項目 | CDP2026(実績) | CDP2027(公表) | 前倒し幅の目安 |
|---|---|---|---|
| 回答ポータルオープン(回答開始) | 6月中旬(6/15週) | 4月14日 | 約2ヶ月早い |
| スコアリング対象の回答提出期限 ★ | 9月16日 | 6月23日 | 約2〜3ヶ月早い |
| 最終回答提出期限(編集終了) | 10月下旬(10/26週) | 8月25日 | 約2ヶ月早い |
| スコア配信(開示組織向け) | — | 9月 | — |
| 公開スコア・Aリスト発表 | 11月下旬 | 11月 | 概ね同等 |
| 回答期間の長さ | 基準(約13週) | 約10週 | 前年比 約1ヶ月短縮 |
締切そのものだけでなく、「回答・保証にかけられる実働期間」が縮む点が重要です。CDP2026と同じ段取りで動くと、CDP2027では準備が間に合わなくなるリスクがあります。
CDP2027 論点|第三者保証は“前倒し”で臨む
第三者保証にはリードタイムがある
第三者保証は「計画立案 → 証憑・データの依頼 → 分析 → 往査 → 発見事項の是正 → 保証報告書の発行」という工程を踏み、申込から報告書発行まで通常は数ヶ月を要します。CDP回答(とくにスコア対象締切の6月23日)時点で保証報告書が仕上がっている必要があるため、締切が前倒しになると、この後工程がそのまま圧縮されます。
データが揃うタイミング自体は、そこまで変わらない
ここが最も誤解されやすい点です。「締切が前倒しになったから急ごう」といっても、Scope1・2・3のデータが揃うタイミングは、CDPの都合では早まりません。たとえば3月決算の企業では、決算が締まった後の4月以降にならないと、その年度のScope1・2・3データが揃わないケースもあります。データが揃う時期は自社の会計サイクルや取引先(サプライヤー)の都合で決まるため、前倒しで圧迫されるのは“データが揃った後”の保証・回答工程です。スコア対象締切が6月23日に前倒しされたことで、この“揃った後にかけられる時間”はとくにタイトになります。
だから「早めの相談と計画的なデータ収集」がカギ
データが揃うのを待ってから動き出すと、前倒し・短縮された日程では間に合わないおそれがあります。そこで有効なのが、Scope1・2は月次でデータを収集しておく、Scope3も早めにまとめておくといった計画的な収集と、前年度の保証データの活用です。そのうえで、早い段階で第三者保証機関にデータの収集方法や検証工程を相談しておくことが、前倒しスケジュールを乗り切るカギになります。データそのものは早まらなくても、“段取り”は今から前倒しできます。
CDP2027 手順
いまは多くの企業がCDP2026の回答作成の真っ最中で、2026年回答をすぐに振り返るのは難しい時期です。まずは目の前のCDP2026対応をやり切り、それが一段落したら、間を置かずにCDP2027の準備へ移るイメージで臨みます。
- 進行中のCDP2026回答を完了させる。対応が一段落したら、すぐにCDP2027の準備に着手する(2027はスコア対象締切が6月23日と早い)。
- 6月23日から逆算し、データ収集を計画的に前倒しする。Scope1・2は月次で収集しておく、Scope3も早めにまとめておくなど、前年度の保証データも活用する。
- 早めに第三者保証機関へ、データの収集方法や検証工程を相談しておく(保証にはリードタイムがあるため)。
- CDPが今後公開する質問書・スコアリングの詳細変更や延長申請(On-Demand Extensions)の運用を確認し、社内スケジュールに反映する。
CDP2027 FAQ
Q. CDP2027で最も重要な締切はいつですか?
A. スコアリング対象となる回答提出期限の6月23日です。回答ポータルのオープンは4月14日、最終回答提出期限(編集終了)は8月25日です。CDP2026(スコア対象締切9月16日)と比べ、約3ヶ月弱の前倒しになっています。
Q. なぜ日程が前倒しになったのですか?
A. CDPは「必須開示(義務報告)の提出、年次報告書の公表、株主総会などのサイクルとの整合を高め、開示データやスコアをより早く活用できるようにするため」と説明しています。ステークホルダーからのフィードバックに応えた変更とされています。
Q. 締切が前倒しになると、保証も前倒しで受けられますか?
A. データが早く揃うわけではないため、保証のために“待てる”時間はむしろ短くなります。だからこそ、Scope1・2の月次収集やScope3の早期整理といった計画的なデータ収集と、前年度データの活用が重要です。あわせて、早めに第三者保証機関へデータの収集方法や検証工程を相談しておくことをおすすめします。
Q. 質問書やスコアリングの中身は変わりますか?
A. 本速報はスケジュールが中心です。質問書やスコアリングの詳細変更はCDPから「近日公開予定」とされており、公表され次第あらためて解説します。CDP2026の主要変更点は関連記事をご参照ください。
CDP2027 まとめ
CDP2027は、回答ポータルオープン4月14日・スコア対象締切6月23日・最終締切8月25日という、CDP2026から大きく前倒しされた日程が公表されました。回答期間も約1ヶ月短縮されます。実務上の要点は、“データが早く揃うわけではない”という前提を踏まえ、計画的なデータ収集と、第三者保証機関への早めの相談で段取りを前倒しすること。いまはCDP2026対応の最中でも、それが一段落したらすぐにCDP2027の準備へ移る意識が大切です。
SSPは、CDP開示に用いる温室効果ガスデータの第三者保証を進めています。前倒しになったスケジュールを一緒に乗り切れるよう、データの収集方法や検証工程のご相談も含め、お早めにお声がけください。
参考リンク
CDP「2027年のCDPを通じた情報開示」(CDP公式): https://www.cdp.net/ja/disclosure-2027


