【第三者保証】ISO(国際標準化機構)を解説

ISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)は、国際的な標準規格を策定するための独立した非政府組織です。世界中の製品やサービスの品質、効率、安全性を確保するための基準を提供し、国際取引を円滑にし、経済の発展に寄与しています。

ISOは「スイスのジュネーブ」に本部を置き、世界170か国以上が加盟する国際的な団体で、これまでに25,000以上の規格を発行しており、幅広い分野で採用されています。
ISOの活動は、製品規格やマネジメントシステム規格だけでなく、環境、社会、デジタル技術分野など、多岐にわたります。特に近年では、サステナビリティ(ネットゼロ)やAIガバナンスなどの先端課題に対応した規格の策定に注力しており、企業や団体が持続可能な社会の構築に寄与することを支援しています。

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目次

1. ISOの歴史

ISOは1947年に設立されました。その起源は、第一次世界大戦後の1926年に設立された「国際標準化連盟(ISA)」にさかのぼります。当時のISAは、特定分野での標準化を進める組織でしたが、第二次世界大戦の影響で活動が停滞しました。その後、戦後の国際協力を促進するため、ISAの流れを受け継ぐ形でISOが創設されました。

設立当初は、製造業や技術分野での規格化が中心でしたが、経済のグローバル化や技術革新に伴い、その適用範囲は広がり、現在ではIT、環境、ヘルスケア、食品安全など、多様な分野をカバーしています。特に、20世紀後半からは品質マネジメント規格(ISO 9001)や環境マネジメント規格(ISO 14001)の策定が進み、企業活動におけるISO規格の重要性が飛躍的に高まりました。

2. ISOの役割と目的

ISOは、以下の目的を達成するために活動しています

国際的な標準化の促進
各国の標準規格を統一し、国際間での互換性や透明性を高める

市場アクセスの向上
製品やサービスが国際基準に適合することで、企業の海外市場進出を支援

安全性と品質の向上
標準規格を通じて、消費者が安心して使用できる製品やサービスを提供

持続可能な社会の実現
環境や社会に配慮した規格の策定を通じて、グローバルな課題に対応

これにより、ISOは産業界と社会の架け橋として、経済発展と社会的価値の創造を推進しています。

3. ISOの主要規格

ISOが策定する規格は、大きく以下の2つに分類されます

モノ規格

製品や部品の仕様を規定する規格、これにより製品の互換性や品質が保証されます。

例)ISO 68: ネジ山の形状規格、ISO/IEC 7810: IDカードのサイズ規格

マネジメントシステム規格

組織の運営や管理手法を規定し、業務プロセスの改善や効率化を促進します。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)に基づく継続的改善が特徴です。
例)ISO 9001: 品質マネジメントシステム、ISO 14001: 環境マネジメントシステム

4. ISOと他の国際機関との連携

ISOは、他の国際機関や団体とも連携しながら規格を策定しています。

  • 主な連携先
  • IEC(国際電気標準会議): 電気・電子分野の規格を担当。ISOと共同で「ISO/IEC」規格(情報セキュリティやAIなど)を策定。
  • ITU(国際電気通信連合): 通信技術分野での標準化活動。
  • WTO(世界貿易機関): TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)において、国際規格(ISO等)を基礎とすることを推奨。

これらの連携を通じて、ISOは規格の信頼性と実用性をさらに高めています。

5. ISO規格の実例

以下は、ISO規格の具体例です

ISO 9001(品質管理)

顧客満足度を向上させるための品質管理フレームワークを提供。製造業だけでなくサービス業でも広く普及。

ISO 14001(環境マネジメント)

環境負荷削減を目的とした管理体制構築の国際規格。サプライチェーン全体での環境対応が求められる中で重要性が増大。

ISO 45001(労働安全衛生管理)

労働者の安全と健康を保護し、職場のリスクを最小化する仕組み。

ISO 27001(情報セキュリティ管理)

情報資産の機密性・完全性・可用性を保護するための規格。

ISO/IEC 42001(AIマネジメントシステム)

2023年に発行された、AIシステムの開発・利用に関するガバナンスとリスク管理のための初の世界標準。

これらの規格は、企業活動を効率化するだけでなく、法令遵守や社会的責任の履行にも寄与します。

6. ISOの将来的展望

ISOは、技術革新や社会的課題の進展に応じて規格の更新や新規策定を続けています。

デジタル化対応
AI(ISO/IEC 42001)やIoT、ブロックチェーン分野での規格策定を加速させ、デジタルトラストの構築を支援。

サステナビリティ(気候変動対応)
2024年以降、「ロンドン宣言」に基づき、全てのマネジメントシステム規格に「気候変動への配慮」を要求事項として追加(追補改正)。ネットゼロやサーキュラーエコノミーを支援する規格を拡充しています。

社会的責任
人権デューデリジェンスや多様性(D&I)に対応する新たなガイダンスや規格の提案。

7.第三者保証とISOまとめ

ISOは、製品やサービスの品質、安全性、効率性を高めるための国際規格を提供し、企業や社会が直面する多様な課題に対応する重要な役割を果たしています。その歴史は70年以上にわたり、モノ規格からマネジメントシステム規格まで、幅広い分野で標準化を進めてきました。

ISOの規格は、企業の競争力を高めるだけでなく、持続可能な社会の構築にも寄与しています。今後も、技術革新や社会課題に対応した新たな規格の策定を通じて、国際社会での信頼と価値をさらに向上させていくことでしょう。

参考
環境省:ISOについて
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h17/22127_k222_r565.html

環境省:環境ラベル等データベース
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel

国際標準化機構
https://www.iso.org/home.html

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この記事を書いた人

大学在学中にオーストリアでサステナブルビジネスを専攻。 日系企業のマネージングディレクターとしてウィーン支社設立、営業戦略、社会課題解決に向けた新技術導入の支援など戦略策定から実行フェーズまで幅広く従事。2024年よりSSPに参画。慶應義塾大学法学部卒業。

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