SBT-FLAGとは? 土地由来の温室効果ガスについて解説

FLAGは土地由来の排出と吸収を測り方まで含めて目標へ落とし込む枠組みです。企業のサステナビリティ推進室が迷う点は適用判定、算定の境界、トレーサビリティ、吸収の扱い、無森林破壊コミットメントの実装に集約されます。本稿は一次資料の構造に沿って論点を整理し監査に耐える実務手順まで示します。

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目次

FLAG 要約

SBT FLAG、FLAGは土地由来の排出と吸収を別建てで管理し土地転換と劣化を止める目標まで含めて整合させる枠組みです。適用判定、境界、トレーサビリティ、吸収の扱い、無森林破壊が主要論点です。

FLAG 背景

土地セクターは気候と自然の両方にまたがるため目標設定と算定の設計が難しくなりがちです。気候の排出配分では農業、林業、その他土地利用が全体の約22パーセントを占める整理が示されています。産業やエネルギーに比べて排出源が分散し空間情報とサプライチェーン情報を同時に要求する点が難所になります。

SBTIが示すFLAGの実装はこの難所を前提にしています。2022年9月にFLAGガイダンスとツールが公表され、2023年5月1日以降は該当企業に土地由来排出の算定と別建てのFLAG目標設定が求められると整理されています。2023年12月にはターゲット設定プロセスの理解を促す軽微改訂も明記されています。

Land targetsの側も同様に算定と目標を一体で扱います。Version 2の公開協議に合わせて土地影響の算定ガイドラインであるAGILEがドラフトとして提示され目標設定の前提となるベースラインとフットプリントの整備が強調されています。

日本企業の実務では気候のSBTと自然の目標や開示枠組の関係整理が先行課題になりやすいです。国内解説でLand guidance V2 ドラフトの公開時期と公開協議期間が明示され最終版は2026年公表予定と整理されています。

FLAG 定義

本稿におけるSBT FLAG、FLAGとは土地に起因する排出と吸収を監査可能な算定に基づき目標へ接続する枠組みの総称です。気候領域ではSBTIのFLAGにより土地利用変化と土地管理の排出と吸収を別建てで管理します。自然領域ではSBTNのLand targetsにより土地転換ゼロと作業地の再生と復元とランドスケープ関与を整合させます。

FLAG 基礎

FLAGの対象は土地利用変化と土地管理に関わる排出と吸収です。土地利用変化は森林伐採や自然生態系の転換などに伴う炭素ストックの損失を含み得ます。土地管理は施肥、糞尿管理、反芻発酵、バイオマス燃焼、森林の伐採と管理など農林活動に紐づく排出を含む整理です。生物起源の吸収は森林回復、agroforestry、silvopasture、土壌炭素の増加など供給網の境界内での炭素貯留増加として説明されています。

FLAG目標はエネルギーや工業プロセスの目標に追加される性格を持ちます。同一企業が非FLAGの排出に対する目標とFLAGの排出と吸収に対する目標を併存させる設計です。これによりサプライチェーン上流の土地由来排出と加工輸送電力などの非土地排出を混ぜずに管理できます。

SBTN Land targetsは気候の炭素目標では捉えにくい土地劣化や生物多様性損失や汚染などの影響を補完する位置づけです。Version 2ドラフトでもLand targetsが気候の科学的目標を補完する旨が明記され土地劣化など自然損失の主要因に対する企業行動を促す狙いが示されています。

算定の観点では境界の取り方が最初の難所です。GHG Protocolの土地標準は土地排出と除去の会計を既存のCorporate StandardとScope 3 Standardと併用する前提で整理し空間境界の設定はトレーサビリティ水準に依存すると述べています。すなわち組織境界だけで完結せず土地の特定可能性に応じて国、レギオン、調達地域、ランドマネジメントユニットなどの粒度を選ぶ設計になります。

FLAG 結論

FLAGを実務で成立させる鍵は二つあります。第一に土地由来の温室効果ガス (GHG) 排出と吸収をエネルギー起源や工業起源の排出と切り分けて境界を固定し監査証跡を残すことです。第二に土地転換と土地劣化を止める目標を気候目標とは別軸で管理し供給網のトレーサビリティとデータ品質を高めることです。

気候領域でのFLAGはScience Based Targets initiativeが公表したForest, Land and Agriculture (FLAG) ガイダンスに基づき土地利用変化と土地管理に伴う排出と吸収を対象に別建てのFLAG目標を設定する考え方です。対象企業は特定セクターに該当する場合とFLAG関連排出が総排出の一定割合を超える場合に要件が発生します。さらに無森林破壊コミットメントが必須でありコミットメントが成立しなければFLAG目標の設定自体ができません。

自然領域での土地目標はScience Based Targets NetworkのLand targetsが中心です。Land targetsは土地転換ゼロと作業地の再生と復元とランドスケープ関与を三本柱にし気候のSBTと補完関係にあります。Land targets Version 2は2025年4月29日から5月27日に公開協議が行われ公式公開は2026年とされています。現時点でVersion 1が稼働しておりVersion 2公開後も一定期間はVersion 1が有効とされています。

第三者検証の観点ではまず最新の算定基盤を固定することが肝要です。GHG Protocolは2026年1月30日にLand Sector and Removals Standardを公表し土地セクターの排出とCO2除去を企業インベントリで扱う要件と推奨事項を整理しました。FLAGやLand targetsの開示を監査可能にするうえで空間境界とトレーサビリティの要求は特に重要です。

FLAG 変更点

ここで扱う変更点は二系統です。Land targetsのVersion 2ドラフトがVersion 1から何を拡張するかという変更点とSBTI FLAGガイダンスの運用上の緊急改訂案が示す変更点です。加えて算定の基盤としてGHG Protocolの土地標準が公表されたことが実務影響として大きいです。

Land targets Version 2 ドラフトの主な更新点

Target 2に大きな更新があり土地劣化に対処するLand quality目標とNatural land cover目標が導入される整理です。800超のエコリージョンに基づく閾値を用いた地点特異的な目標設定を支援する設計が示されています。

新たな算定ガイドラインAGILEが提示されベースラインとフットプリントの算定方法を補完する位置づけが明確化されています。低データ環境でも目標設定を進められる選択肢が示され実務の実装可能性を高める意図が明記されています。Version 1は現時点で稼働しておりVersion 2の公開後も一定期間はVersion 1が有効であるとされています。

SBTI FLAGの緊急改訂案の主な更新論点

無森林破壊コミットメントの目標日が2025年12月31日で固定されていることが2026年以降の運用に不整合を生むため改訂を検討する趣旨です。変更は新規のFLAG目標設定企業と既存目標の更新企業に関係し得ると明記されています。改訂論点として目標日、伐採や転換のカットオフ日、対象コモディティ、公開文書要件が挙げられています。

算定基盤の変化としてのLand Sector and Removals Standard

2026年1月30日に土地セクターと除去の標準が公表され土地排出とCO2除去を企業インベントリで扱う要件が体系化されました。空間境界とトレーサビリティが章立てとして明確化されサプライチェーンの土地関連データに監査可能性を付与する設計になっています。

FLAG 論点

実務での論点重要度判断のポイントよくある誤解弊社の推奨スタンス
適用判定自社がSBTiのFLAG要件セクターに該当するか、もしくはFLAG関連排出が総排出の一定割合を超えるか。Land targetsはSBTN Step 1の結果で必須が決まる。FLAGは農業企業だけの話だと捉える。まず適用判定を形式知化し、根拠とデータ範囲を文書化する。
境界の切り分け土地由来排出と非土地排出を別建てで集計し、目標も別建てで設計する。一つのScope 3目標に混ぜてよいと捉える。切り分けは監査可能性を上げるための必須設計として先に決める。
算定基盤の選定土地排出と除去はGHG Protocol土地標準の要件と整合させる。Land影響はAGILEの算定ロジックを参照する。従来のScope 3標準だけで土地排出まで完結できると誤解する。会計基準の採用方針と改訂追随手順を監査証跡として残す。
トレーサビリティ物理的トレーサビリティの水準により空間境界の粒度が変わる。取得可能データで過大な主張をしない。国平均係数で全ての土地影響を説明できると誤解する。重要コモディティから段階的に空間粒度を細かくし、監査可能な改善計画を置く。
吸収とネット計上FLAGでは削減と除去を別に報告し、オフセットやサプライチェーン外のクレジットは進捗に使えない。クレジット購入で目標達成できると捉える。除去は補助レバーとして扱い、まず削減を優先する設計にする。
無森林破壊対象コモディティ、網羅範囲、監視手順、目標日とカットオフを整合させる。2025年固定要件は改訂検討中。宣言文だけで足りると誤解する。サプライヤーモニタリングと年次報告まで含め統制として組み込む。
Land targets Ver選択Version 2はドラフトで2026年公表予定。Version 1は現行で一定期間は有効。Version 2を待つべきだと誤解する。no regretsでVersion 1で開始し、Version 2公開後のギャップ分析を準備する。
TNFDとの接続開示枠組の指標と目標にLand targetsの成果を接続できる。気候のSBTだけで自然開示も満たせると誤解する。同一データ基盤で統合し開示の整合を取る。

FLAG 比較

比較軸SBTI FLAGSBTN Land targetsGHG Protocol Land Standard
中心目的気候の排出削減と土地由来の吸収強化を科学に整合させる自然損失の主要因である土地転換と劣化を抑え改善する土地排出とCO2除去を企業インベントリとして算定報告する
主な対象土地利用変化と土地管理の排出、生物起源除去土地転換ゼロ、作業地の再生、ランドスケープ関与土地セクターの排出除去関連指標、空間境界
要求の決まり方セクター該当またはFLAG関連排出の割合で必須化。無森林破壊が必須。Step 1 重要性 評価で 決定。必須なら対象Targetを省略不可。 目標ではなく会計標準として算定と報告の要件を示す。
データの要所供給網の土地排出データ、削減と除去の分離、重要コモディティ把握空間情報と閾値、土地影響フットプリント(AGILE参照)空間境界、物理的トレーサビリティ、監査証跡
クレジット扱い目標進捗として認めない。除去は境界内に限定。クレジット購入で代替する設計ではない。インベントリ算定要件を示し、認証とは異なる。
更新状況2022年公表。2025年に要件改訂の公開協議あり。Ver 2は2026年予定。Ver 1は現行で有効。2026年1月30日に標準が公表。

FLAG 章解説

SBTN Land Technical Guidanceの導入部

何が求められるか
Land targetsの全体像と適用判定とAGILEの位置づけが示されます。特にどの企業がTarget 1からTarget 3を必須とするかを判断する導線が冒頭に置かれています。

実務影響は何か
適用判定が曖昧なままTarget設計に入ると後から境界が揺れます。最初にStep1での重要性評価と対象活動の特定を済ませる必要があります。

注意点は何か
Land targetsは必須とされたTargetを省略できないと明記されています。部分採用で外部に主張する設計は避けるべきです。

Target 1 No Conversion of Natural Ecosystems

何が求められるか
自然生態系の転換を止める目標を設定し、算定方法、コンプライアンス評価、検証と開示テンプレートまでを整備します。SBTN Natural Lands Mapの利用や転換ホットスポットの扱いも示されます。

実務影響は何か
転換の有無は空間情報に依存しやすく、監査証跡として地理的根拠が問われます。調達地の特定が粗い場合は空間境界をどこまで主張できるかが論点になります。

注意点は何か
カットオフ日と目標日の設計が中心論点になります。特に2020年以降の転換や修復の扱いは争点化しやすいため、最初に社内ルールと証跡様式を固定します。

Target 2 Working Land Regeneration and Restoration

何が求められるか
Land Area とLand Qualityの要素を持ち、Land footprint reductionとNatural land coverの選択肢やLand quality指標の閾値評価を含みます。Version 2ではここが最大の拡張点となります。

実務影響は何か
土地面積の削減という量の論点だけでなく、土壌有機炭素、土壤侵食、酸性化など質の論点が入ります。生態学的閾値を参照するため、データ収集方法が監査の争点になります。

注意点は何か
低データ環境向けの選択肢が示される一方で、過度な平均化は科学性を損ねます。どのデータでどの粒度まで主張するかを開示前提で設計する必要があります。

Target 3 Landscape Engagement

何が求められるか
重要ランドスケープの選定、準備度の判定、成熟度マトリクスロードマップを扱います。単独企業の対策ではなく集合的アクションを組み込むTargetです。

実務影響は何か
サプライチェーン由来の土地転換に対し、単一企業で完結しない対策を制度的に位置づけられます。ガバナンス体制と意思決定プロセスが検証対象になります。

注意点は何か
他の気候や淡水ターゲットとの関係を節として持ちます。データ基盤を分断すると整合性が崩れるため、共通の地点情報を中核に据えます。

AGILEの構成と役割

何が求められるか
境界設定、トレーサビリティ、定量化、土地利用変化などの算定ガイドラインを章立てで示します。Land targetsの算定部分を支える資料です。

実務影響は何か
ベースライン再計算、配分、代替算定アプローチなど監査上の論点が手続きとして整理されます。社内の算定手順書を作り込むことで検証業務が成立しやすくなります。

注意点は何か
ドラフトであるため最終版で変更され得ます。手順書は改訂追随を前提に版管理を組み込みます。

SBTI FLAG無森林破壊要件の緊急改訂案

何が求められるか
SBT FLAGとFLAGに直結する部分として、SBTIはFLAGガイダンスV1.1のうちCriteria 1とCriteria 4を対象に緊急改訂を提案しています。2026年以降も無森林破壊コミットメントの運用可能性を確保することが主眼です。

実務影響は何か
現行の目標日固定要件は検証タイミングと整合しない可能性があるため、企業は目標文言と実装計画を見直す必要が生じ得ます。

注意点は何か
現時点では提案段階であり有効日が確定していない点に留意します。確定情報が一次資料に明示されるまで確約的な社外表現は避けます。

FLAG 重要点

空間境界とトレーサビリティが監査の中心になる

土地由来データは排出係数の妥当性だけでは足りません。どの土地を自社の活動や調達に帰属させたかという空間境界が監査の中心になります。GHG Protocol土地標準はトレーサビリティ水準に応じて空間境界の粒度を設計する要件を示し、同一の空間境界を全ての会計カテゴリに適用する考え方を置いています。

この考え方はLand targetsと整合します。Land targets Version 2ドラフトは転換の測定や閾値評価を空間情報に基づける設計です。したがって監査対応はサプライチェーンの地点情報の取得と段階的な精緻化計画に収れんします。

無森林破壊コミットメントは宣言ではなく統制である

SBTiは無森林破壊コミットメントをFLAG目標の前提要件として位置づけ、毎年の報告や監視活動の導入など運用要件を明記しています。

一方で2025年10月の緊急改訂案では、2026年以降に要件文言が過去形になり得る点を課題として挙げています。ここから読み取れる実務上の示唆は、無森林破壊を固定文言で終わらせず、監視、例外処理、サプライヤー是正を含む統制として設計すべきという点です。

削減と除去の分離が目標の信頼性を左右する

FLAGでは削減と除去を別に報告し、オフセットは除去として認めない整理が示されています。さらに削減優先を前提にしています。

第三者検証・保証の観点では削減と除去の分離は過大主張を防ぐ安全装置になります。GHG Protocol土地標準は透明性と監査証跡を明確に要求しており、除去では保全性、永続性、反転の扱いが論点として追加されます。

FLAG 手順

適用判定を確定する
SBTIのFLAG要件セクター該当性とFLAG関連排出の割合を確認します。
Land targetsはSBTN Step 1の結果に基づき必須Targetを特定し、判定根拠は文書化します。

境界を固定しデータ地図を作る
FLAGと非FLAGの排出を切り分けます。調達コモディティごとに原産地とサプライヤー階層、土地単位の特定可能性を棚卸し、空間境界の粒度はトレーサビリティ水準に合わせます。

算定基盤を選びベースラインを作る
土地排出とCO2除去はGHG Protocol土地標準の要件と整合させます。Land impactsはAGILEの手順に沿ってベースラインとフットプリントを整備します。
配分方法と再計算ルールを定めます。

目標の設計を行う
FLAGでは需要側と供給側の整理に基づきセクター経路とコモディティ経路のどちらを使うかを決めます。Land targetsでは必須性に沿って目標文を作り、Target 2では方法選択を行います。

無森林破壊とカットオフを統制として実装する
対象コモディティの網羅範囲、監視方法、年次報告体制を設計します。
SBTiの緊急改訂案が対象日やカットオフの見直しを含むため、最新の確定要件を定期確認する運用も組み込みます。

監査証跡と内部統制を整える
データの出所、算定ロジック、変更履歴を一元管理し監査証跡を確保します。特に空間境界の根拠、right to reportに相当する証憑、サプライヤーからのデータ授受記録が重要です。

開示と更新計画を整合させる
Land targets Version 2は2026年公表予定でVersion 1との移行期間が説明されています。開示言語は版を明記し、更新計画を先に置くほうが実務が安定します。

FLAG FAQ

Q: SBT FLAG、FLAGとは何を指しますか

本稿では土地に関わる科学的目標設定を総称して呼びます。気候領域はSBTiのFLAGが中心で、自然領域はSBTN Land targetsが中心です。両者は目的と出力が異なるため役割分担で設計します。

Q: どの企業がFLAG目標の設定を求められますか

SBTiは食品、生産加工、小売など特定セクターで必須になり得ることを明記しています。加えて他セクターでもFLAG関連排出が総排出に対して一定割合を超える場合は要件が適用されます。

Q: FLAGとLand targetsはどちらを優先すべきですか

優先ではなく補完関係として設計するのが合理的です。SBTNはLand targetsが気候の科学的目標を補完すると説明しており、FLAG手法に基づく目標を姉妹目標として求める整理があります。

Q: 除去やクレジットで目標達成できますか

カーボンクレジットを目標進捗として扱わない整理が明確です。FLAGでは除去は供給網の境界内で扱い、削減と除去を別報告し、オフセットを除去として扱わない取り扱いが示されています。

Q: 無森林破壊コミットメントの2025年要件は2026年以降どうなりますか

現行では2025年12月31日より遅くできない要件ですが、2025年10月に緊急改訂案が公表されています。最終的な有効要件は今後公表される確定版で確認する必要があります。

Q: トレーサビリティが弱い場合でもLand targetsを設定できますか

Version 2ドラフトでは低データ環境向けの選択肢が言及されています。ただしGHG Protocol土地標準は空間境界を前提としているため、現状の粒度を明確にしつつ改善計画を伴わせることが重要です。

Q: TNFDの開示とどうつなげますか

国内解説ではTNFDの指標と目標の開示でネイチャーSBTsの手法活用が推奨されています。Land targetsで作った指標を同一のデータ基盤に載せると開示の整合が取りやすくなります。

FLAG まとめ

SBT FLAG、FLAGは土地由来の排出と吸収を別建てで管理し、土地転換と劣化まで含めて企業行動を定義する枠組みです。実務の中心論点は、適用判定、境界、空間情報、トレーサビリティ、削減と除去の分離、無森林破壊の統制です。

2026年の時点ではLand targets Version 2は最終版がまだ公表されていない一方、Version 1は稼働しており、no regretsで開始できる設計が示されています。SBTi側でも要件の運用可能性を確保するための緊急改訂案が提示されています。したがって、企業は現在の版で開始しつつ、改訂追随と監査証跡の確保を最初から組み込むことが最も費用対効果が高い対応になります。

参考リンク

Science Based Targets initiative
SBTI FLAG Guidance in Brief
SBTI FLAG Getting Started Guide
SBTi Corporate Near Term Criteria

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この記事を書いた人

大学在学中にオーストリアでサステナブルビジネスを専攻。 日系企業のマネージングディレクターとしてウィーン支社設立、営業戦略、社会課題解決に向けた新技術導入の支援など戦略策定から実行フェーズまで幅広く従事。2024年よりSSPに参画。慶應義塾大学法学部卒業。

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